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ecoなパッケージを紹介する【ecoパケ】コラム 012

パッケージSDGs

【​地球に優しい選択②】パッケージ業界で広がるエコデザイン

前回パッケージに求められる環境対応とその進化を背景に、持続可能なパッケージ戦略の最新トレンド、エコデザイン、環境に優しい素材の開発、製品を安全かつ効果的に配送する方法、そして経済性について解説しましたが、今回は前回で簡単に触れた、環境に対するアプローチの考え方をご紹介します。

エコデザインは、原材料の使用を極力抑え、再生可能な資源の使用を奨励します。これにより、資源やエネルギーの消費を抑え環境効率の高い製品を設計し、廃棄量を削減することで、その考えはパッケージにも及んでいます。
他にもパッケージ技術の採用で、従来の簡易保護や表示の機能を超え、製品の保護、品質維持、快適性向上、および消費者とのインタラクションを強化する機能を持つスマートパッケージや、製品を個別の部品やコンポーネント(モジュール)に分けて設計するモジュール設計など、環境に配慮したパッケージの考え方はいろいろあります。

それぞれの取り組みやすさや利点などを詳しく解説します。

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1.エコデザイン
2.スマートパッケージ
3.モジュール設計
4.それぞれの課題
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1.エコデザイン

エコデザインとは
エコデザインは、製品の設計段階から環境への影響を考慮するアプローチです。この概念は、持続可能性を重視し、製品のライフサイクル全体を超える環境への負担を真摯に受け止めることを目指しています。エコデザインでは、原材料の選択、製造プロセス、製品の使用寿命、廃棄方法に至るまで、あらゆる側面で環境に配慮された選択が行われます。例えば、再生可能な資源の使用、エネルギー効率の高い製造プロセス、再利用やリサイクルが容易な設計などが含まれます。このアプローチは、エコロジーな製品を作ることに留まらず、コスト削減にも配慮しながら環境に優しいソリューションを提供します。

例えば、紙製品のパッケージングには、伐採されたバージンパルプではなく、再生紙や持続可能な森林からの紙を使用します。また、プラスチックパッケージに代わる植物ベースのバイオプラスチックを使用することで、石油由来に依存するプラスチックの使用量が減少し、環境への影響が軽減されます。 さらに、エコデザインでは、パッケージのサイズと形状を最適化=最小限にします。このような取り組みは、環境保護だけでなく、企業のコスト削減にも配慮し、消費者に持続可能な選択肢を提供する重要な方法となっております。

エコデザインの利点 
エコデザインの最大の利点は、環境への影響を削減することです。持続可能な材料の使用は、自然資源の消費を減らし、廃棄物の発生を抑えます。また、製品の寿命を延ばすことにより、廃棄するものの削減に貢献し、長期的な環境保護につながります。エコデザインは、エネルギー効率の改善にも貢献し、製品の製造と使用におけるCO2排出量を削減します。企業にとっては、コスト削減の機会も生み出すことが多く、エコデザインは経済的な利益と環境保護の両方を達成する手段となっています。

エコデザインの今後の予測
今後、エコデザインはさらに重要性を高めると予測されます。環境への配慮は消費者の購入決定に大きな影響を与え、企業は持続可能な製品を市場に提供することができます。技術の進歩は、エコをより実行可能で、デザインコストも効果的なものに変えていきます。また、欧州をはじめ政府による環境規制の強化が予想されるため、エコデザインは単なる選択肢ではなく、製品設計の基本としてより広く採用されるようになり、新しい材料や技術の開発が加速されることが期待されます。エコデザインは、持続可能な未来への道を開く重要な鍵となります。

2.スマートパッケージ

スマートパッケージとは
スマートパッケージは、先進技術を活用して、従来のパッケージングを超えた機能を提供する革新的なソリューションです。このアプローチでは、QRコード、NFCタグ、センサー、IoT技術などを組み込むことで、従来の簡易保護や表示機能を超え、製品の保護、品質維持、快適性、および消費者とのインタラクションを強化する革新的なソリューションを提供します。製品のスマートパッケージの応用例として、食品の鮮度を監視するセンサーや、製品情報を随時で消費者に提供するインタラクティブなラベルが登場しています。スマートパッケージは、製品の物理的な側面だけでなく、デジタルな世界との接続を可能にすることで、パッケージングの新たな可能性を模索しています。

スマートパッケージの利点
スマートパッケージの主な利点は、製品のセキュリティと品質管理の向上です。確実なセンサーや追跡機能により、製品の輸送中の状態を継続的に監視し、品質を維持することができます。スマートパッケージによるインタラクティブな体験は、製品のセキュリティとトレーサビリティを向上させ、消費者により豊かで、より透明性の高い情報と消費体験=ストーリーを提供することでブランドとのコミュニケーションを強化します。さらに、環境情報の収集と分析により、サプライチェーンの効率化や持続可能なビジネスプラクティスの推進にも貢献します。

スマートパッケージの今後の予測
スマートパッケージは、技術の進化とともに発展していくと予測されます。近い将来、IoT技術がさらに普及することで、スマートパッケージはより高度な機能を備えるようになります。製品の状態をモニタリングし、消費者に警告を送信する能力などが実現される可能性があります。
消費者のデータプライバシーとセキュリティに対する関心の心構えも、スマートパッケージの今後の発展に影響を与える重要な要素です。ブランドは、消費者のデータを安全に扱い、プライバシーを尊重することが約束されなければなりません。

消費のデジタル技術への関心の高まりと、ブランドのインタラクティブなマーケティングへの必要性の増加が、この成長を後押ししています。より高度なセンサー技術、AIの統合、持続可能な材料との組み合わせなどにより、スマートパッケージの機能はさらに進化するでしょう。また、スマートパッケージは、製品のライフサイクル全体にわたる徹底的なデータ収集と分析、より持続可能で効率的なサプライチェーンの構築に貢献します。消費者の体験とブランドへの関与を高める手段として、スマートパッケージはますます重要な役割を担って考えられます。

3.モジュール設計

モジュール設計とは
モジュール設計は、製品を個別の部品やコンポーネント(モジュール)に分けて設計するアプローチです。この方法では、各モジュールが独立して機能し、必要に応じて簡単に取り外し、交換、アップグレードが可能です。例えば、電子機器の分野では、モジュール設計が採用されることで、ユーザー自身が特定の部品を交換して製品の寿命を延ばし、廃棄するものの量を減少させる効果があります。この設計方法は、組立やメンテナンスの効率化に優れ、全体的な製品のコストを削減することが可能です。

パッケージングにおいてもサイズを集約し標準化を図るモジュール設計を採用することで、製造設計やプロセスを簡素化し、発注ロットを最大にしてコストダウンを図ることが出来ます。モジュールの組み合わせや緩衝材の設計次第でニーズに応じたカスタマイズも可能になる一方で、組み立てや分解が容易になり、リサイクルや再利用がしやすくなります。 モジュール設計は、従来の使い捨て文化に対する有効な解決策であり、製品のライフサイクル全体環境への影響を最大限に考慮することを目指しています。

モジュール設計の利点
モジュール化された包装システムでは、製造工程が簡素化され生産時間の短縮やコスト削減が実現。組み立てや再構成が簡単であるため、生産ラインの変更に柔軟に対応でき、様々な製品に適用可能です。また、包装材料の最適化により廃棄物の量を減らし、在庫管理やスペースの削減につながります。再利用可能またはリサイクル可能な材料の使用は、環境への影響を軽減の上で有効で、競争上の優位性にも貢献します。
エネルギー効率の良い生産プロセスで、全体的な環境フットプリントをさらに削減できます。

モジュール設計の今後の予測
モジュール設計の将来性は非常に高いと予測されています。環境への意識の在り方と持続可能な消費への必要性が増加することにより、モジュール設計はより一般的なアプローチとなります。電子機器や家電製品などの分野で、モジュール設計の採用が拡大すると考えられ、それに伴い包装のモジュール化も進むことが考えられます。技術の進歩により、より効率的でコスト効果の高いモジュールの開発が可能になり、製品のカスタマイズとアップグレードがさらに容易になります。循環型経済の推進と廃棄物削減の観点から、モジュール設計は持続可能な製品設計の重要な要素として、今後も多くの業界で採用が進んでいくと考えられます。

それぞれの比較 長所と課題

エコデザイン、スマートパッケージ、モジュール設計は、それぞれ異なるアプローチを持つが、すべて持続可能な製品開発と消費に貢献する重要な概念です。

エコデザイン
特徴: エコデザインは、製品のライフサイクル全体にわたって環境への影響を最小限に抑えることを目的としています。原材料の選択、製造過程、使用寿命、廃棄方法など、あらゆる面で環境に配慮された選択が行われます。
長所:環境への影響の削減: 自然資源の保護、廃棄物とCO2排出量の削減などの他、長期的なコスト削減と消費者の環境意識に対する答えとして市場競争力の強化が可能です。
短所:エコデザインを実装するための技術や素材は初期投資が必要な場合があります。また、環境に優しい材料やプロセスを使用することで、製品の性能やデザインに制約が生じる可能性があります。

スマートパッケージ
特徴: スマートパッケージは、QRコード、NFCタグ、センサーなどの技術を用いて、製品の追跡、品質管理、消費者とのインタラクションを強化します。
長所:製品のセキュリティと品質管理の向上を図り、リアルタイムのモニタリングによる品質維持が可能です。また、インタラクティブな情報提供により、ブランド認知度と消費者体験の強化による顧客ロイヤリティが向上します。
短所:高度な技術の組み込みには高いコストがかかります。また、スマートパッケージの製造プロセスは従来のパッケージに比べて複雑になる可能性があります。

モジュール設計
特徴: モジュール設計では、標準化された部品やユニットを使用し、異なる製品や要求に合わせて柔軟に提案でき、設計から製造までのプロセスが簡略化・効率化されます。
長所:規格化により生産コストが低減し、組み立てと生産が迅速かつ効率的に軽減します。また、様々なニーズに応じたカスタマイズが可能で、環境への配慮:廃棄物の削減とリサイクル材料の使用が促進されます。
短所:モジュールの設計は複雑であり、初期にコストがかかる可能性があります。すべての製品にモジュール設計を適用することは困難で、標準化を進めすぎるとカスタム要求に応じづらくなることがあり、また新しい技術や材料によって技術的な課題があり、現状では一部の製品にのみ適用可能です。

総評 これらのアプローチは、それぞれに独自の長所と短所を持ち、特定の製品や市場により適したものがあります。エコデザインは環境への影響を最小限に抑えることに重点を置き、スマートパッケージは製品のトレーサビリティと消費者エンゲージメントを強化し、モジュール設計は製品の柔軟性と持続可能性を高めます。持続可能な製品開発において、これらのアプローチを組み合わせることで、さらに大きな効果を期待できるでしょう。

まとめ

持続可能なパッケージソリューションは、現代社会において極めて重要です。エコデザイン、スマートパッケージ、モジュール設計の各アプローチは、地球の資源を守り、環境への影響を最小限に抑えるために不可欠です。これらのアプローチは、製品の持続可能性を高めるだけでなく、企業のコスト削減、消費者の満足度向上、そして最終的には地球環境の保全に貢献します。

最終的には、これらの持続可能なパッケージソリューションの選択は、消費者一人ひとりの意識的な決定によって形成されます。私たちの小さな選択が集まり、大きな環境への影響を及ぼすことを忘れずに、日々の消費行動を見直してみましょう。持続可能な未来に向けて、一歩ずつ前進することが、私たち一人一人に求められています。

このコラムが、持続可能な包装に対する意識を高め、より良い未来への一歩を踏み出すきっかけとなる事を願っています。

詳しくは https://ecodakemarke.naganae.co.jp/shrink/evidence/ をご参照ください

 ■お問い合わせ:長苗印刷株式会社 パッケージ事業部  n-package@naganae.co.jp.

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