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ecoなパッケージを紹介する【ecoパケ】コラム 007

パッケージ

台紙付きシュリンクフィルムパッケージ製造のハードルの高さに悶絶、「設備導入後」運用編

こんにちは、長苗印刷株式会社 パッケージ事業部です。今回もメルマガからの続きになります。

厳しい暑さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
夏バテ対策には先ず食事からと意気込み、只々太ってしまったパッケージ事業部一同です。この悲しみをすべて商品開発に捧げ、バチバチと火花を散らせば少しはやせるのではと、淡い期待と不安の日々を過ごしております…

前回から趣向を変えて、私たちパッケージ事業部の奮闘記をコラムで綴っております。新規事業担当者や設備導入担当者の皆さまでしたらご理解や共感をいただけるかと思いますが、涙無くては語れないお話の連続です。
化粧もできない絆創膏も貼れない※クリーンルーム、言う事を聞かないやんちゃなオリジナルマシンたち、テストと改造との繰り返しの日々、求められる品質に適合させようと未経験の中でのトライアルなど、色々な面でアジャイルにも程があると叫びながら走り抜けた一年半の軌跡をご紹介します。何かの参考になれば幸いです。

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クリーンルームの設営
設備導入後の稼働テスト
資材の適正確認
品質適合への挑戦
製造許可申請
まとめ

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「設備導入後」編

台紙付きシュリンクフィルムパッケージは、商品を保護し、魅力的な外観を提供するために使用されるパッケージソリューションです。 この記事では、台紙付きシュリンクフィルムパッケージの製造に関する重要な要素について、詳細に掘り下げて解説します。

クリーンルームの設営

苦労して確保した工場内スペースにクリーンルームを設置しました。クリーンルームは高度に清潔な環境を維持するための特殊な空間であり、様々な産業分野で使用されています。扱う資材や内容によってレベルが上がり、入室制限など厳しい条件のもとに運用していかなければなりません。

・専用ルームウェアの着用
例えばクリーンルーム内に入る前に、ほこりや繊維などが付着しにくい専用のクリーンウェア(衛生白衣)を着用することが必要です。
クリーンウェアは、クリーンルーム内の粒子拡散を極力抑え、外部からの汚染を防ぐためのもので、帽子、靴と靴カバー、手袋、そしてマスクを着用します。全身真っ白で清潔なウェアで覆い、目だけが出ている容姿です。

・手洗い洗浄とエアシャワー
クリーンルームに入る前に、手を丁寧に洗浄します。また、手指消毒を行うことも一般的です。
エアシャワーは高速でクリーンエアを吹き出すことで、クリーンルームに入る前に身体やクリーンウェアの表面の粒子を除去します。

・ノーメーク、装飾品の除去
クリーンルームに入る場合、アクセサリーや絆創膏※、指輪、腕時計などの身に着けているものは全て外して入室します。メイクも基本的にNGとなります。これにより、異物混入や粒子の混入・拡散を防ぎます。※ブルーバンテージであれば記録を付けての入室が可

・ルームウェアの定期的な交換
クリーンルーム内ではクリーンウェアの交換が定期的に行われます。
一定の時間やタスクごとに、新しいクリーンウェアに交換することで、粒子の拡散を最大限に抑えることができます。

・空気浄化システムの運用
クラス8クリーンルームは、高度な空気浄化システムを備えています。防カビフィルターの他、HEPAフィルターやULPAフィルターを使用して空気中の微粒子を除去し、クリーンな環境を維持します。

・作業手順の遵守
クリーンルーム内の作業は厳密な手順に基づいて行われます。
汚染のリスクを考慮し、作業者は事前にトレーニングを受け、指示に従って作業を進めます。

・来客者及び外部品の制限
クリーンルーム内には不要な人物や外部の物の立ち入りを制限します。
部外者が入室する場合は、厳格な許可手続きと適切なクリーンウェアの着用が求められます。

これらの具体的な運用条件により、クラス 8 のクリーンルームは高い精度や品質が要求される産業分野で重要な役割を果たしています。作業者のルール遵守と管理体制の強化によって最適なクリーン環境を維持し、製品の品質向上や生産性の向上を実現することが可能です。

設備導入後の稼働テスト

台紙付きシュリンクフィルムパッケージの製造における各プロセス

設備導入後の稼働テスト
・機械の動作テスト:製造ライン全体の機能テストを実施し、機械を空動作させ、動作が正しくスムーズであるか、異音や振動がないかを確認します。
・製品の生産テスト:実際の製品を用いて製造ラインを稼働させ、一定期間製品を生産し、機械の動作・速度・その他のパフォーマンスの検証を行い、品質と生産性を評価します。
・センサーとコントロールシステムのテスト:センサーの正確性を確認し、コントロールシステムが製造ライン全体を正しく管理できるか、自動化の正確性などを確認します。

オリジナルな機械での不具合
・機械の設計図の精査:機械の設計図を詳細に調査し、ポテンシャルや、潜在的な不具合や改善点を洗い出します。
・トラブルシューティング:実際の製造過程で不具合が発生したと想定し、技術者が現場で問題の原因を特定し、必要な修理や改善を行います。必要に応じて製造プロセスの見直しや部品の改良を行い、解決策を見つけます。
・現在モニタリング:センサーと監視システムを使用して、機械の稼働中にデータを収集し、問題を予防・解決するために分析します。

改造に次ぐ改造
・改造計画の立案:改造を実施する前に、改善点や改造の目的、予算、スケジュールを含む改造計画を立てます。
・機械の改造:改造計画に基づいて機械に対して改善を行い、問題の解決と機能の向上を図ります。
・検証効果:改造後、機械の性能と品質に対する影響を検証し、目標を達成しているか有効性を確認します。扱う商材によっても改善点が変わるため、継続的な改造と検証が必要です。予防保全プログラムを実施し、常に機械トラブルを念頭に置いて進めていきます。

フィルムの適正確認
・フィルムの材質テスト:フィルムの材料を検査・分析し、製品の用途や環境条件に合わせて最適なフィルムを検討します。
・引張試験:フィルムの引張強度を測定し、パッケージの強度と耐摩擦性など耐久性を評価し、製造プロセスに適しているか検証します。
・熱限界性能テスト:フィルムを加熱し、熱限界率や限界性能を確認し、製品に適しているか検証します。

資材の適正確認

資材の適正確認
・材料の選定:使用する資材の種類を選定し、台紙やフィルムに対する適合性を確認します。
・資材の試験:接続剤の接続強度や耐久性をテストし、パッケージの密閉性や耐久性を確保します。
・安全基準の遵守:製品の安全性や品質に影響を与えない、特定の産業規制や安全基準に適合していることを確認します。

台紙と用紙の選定
・台紙の検討:台紙の厚さ、サイズ、材質、平滑性などを検討し、パッケージの安定性やデザインの影響を考慮する要素を洗い出します。
・用紙の表面仕上げ:表面加工を検討し、パッケージの外観や印刷の品質に適したものを選択します。
・環境への配慮:再生可能な素材や環境に配慮した素材を選定し、環境への影響を抑えるものを選定します。

表面加工の品質確認
・表面加工の種類選定:製品の用途によって表面加工(艶消しや防水加工など)を検討し、パッケージの外観的訴求ポイントを表現できるように品質の評価をします。
・耐久性テスト:加工後の耐久性や耐磨耗性をテストし、製品の品質が保たれることを確認します。
・インキの密着性テスト:印刷品質を評価するために、インキの密着性を検査します。

品質適合への挑戦

品質適合の難しさ
・品質基準の基本:製品の仕様と品質基準を明確に定義し、生産プロセス全体に共有した上で、一貫した品質を保つための品質管理体制を確立します。
・検査とテストの実施:生産プロセス中に検査とテストを行い、製品が基準を満たしていることを確認します。
・データ分析:生産データを分析し、品質への影響を考慮し、必要に応じて改善策を講じます。

これらの具体的な活動を実践することで、台紙付きシュリンクフィルムパッケージの製造プロセスを効率的に進め、高品質なパッケージの提供につなげることができます。今後も、様々な技術や専門知識が必要なため、経験豊富な技術者との連携や品質管理体制の強化が重要です。

製造許可申請

化粧品製造と医薬部外品製造を行う場合の、申請から承認までのフロー

化粧品や医薬部外品の包装のみに携わる場合でも、その製造環境の衛生面などを問われますので、各自治体へ製造許可の申請と許可が必要になります。

・申請書準備と提出
化粧品製造または医薬部外品製造を行うつもりの場合、まずは担当の薬剤師が申請書を準備します。
申請書には、薬剤師、製造施設の住所・設備概要、製品の内容や品目、生産工程、品質管理システムなどの詳細な情報が含まれます。
準備が整ったら、所轄の主たる機能を有する事務所の所在地がある都道府県知事へ申請書を提出します。

・審査と検査
提出された申請書は、その自治体の薬務課などの専門機関によって審査されます。
審査では、製品の安全性や有効性、製造施設の適格性、品質管理体制などが評価されます。
申請が進むと現地への立入検査が行われます。検査では製造や品質管理システムなどの施設が確認されます。

・承認とライセンス取得
審査が終了し、2週間~1ヶ月程度で申請が承認された場合、化粧品製造または医薬部外品製造のライセンスが発行されます。
ライセンスを取得したら、製造業務を開始することができます。

・法令や規制の遵守
製造業務が開始されたら、薬剤師は厚生労働省の規制や地域の法律に準拠することが求められます。
製品の品質管理や製造プロセスの記録、製造施設の衛生管理などが重要なポイントとなります。
定期的な監査や報告が行われることもあります。

・製品の販売と販促
製品が製造され、承認を受けて販売可能になったら、市場での販売活動が始まります。
販売の際には適切な表示や注意書きを含むラベルを付ける必要があります。
製品の販促活動やマーケティングも行い、顧客に製品の魅力を伝えることが重要です。

以上の手順を進めていくことで、化粧品製造または医薬部外品製造を行うことができます。

まとめ

設備導入編:製造の新たな挑戦への一歩
製造業界は常に進化し続けており、より効率的で高品質な製品を提供するために新たな設備や技術の導入が大切です。当社の台紙付きシュリンクフィルムパッケージ製造に関しては、各資材の品質や適合性を慎重に検証することで、製品の耐久性と美観を確保しております。

今回ご紹介してきた設備導入後の実行テストなどは、新たな機械を製造ラインに組み込む際の最初の試練です。 正確かつスムーズな動作を確認するためテストは慎重に行われるべきで、 特にオリジナルな機械の場合、想定外の不具合が発生する可能性が想定されるため、製造ライン全体のシンクロニズムを確保し、継続した品質を維持することが一層困難になります。                      
オリジナルな機械は創造的な挑戦と言えるものの、何でもできるはずの機械が実際には何もできない、というような課題にも直面します。ですが、製造プロセスに合わせて機械を改造し継続した品質を実現するためには、継続的な改善が肝心です。そのためには、専門知識と経験豊富な技術者の力が必要となってきます。

結論として、設備導入は製造業における新たな挑戦であり多くの課題が先行していますが、しっかりと準備したうえで細かく課題を洗い出し克服していきます。小さな改善を積み上げる地道な活動ですが、それを乗り越えた先にきっと明るい未来が待っていると信じ、一歩ずつでも前に進めようという固い意志が必要です。

次回は「販促活動期」編をご案内する予定です。お楽しみに。

長苗印刷株式会社 パッケージ事業部

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